担当:中田芳樹
時空間領域で精密制御可能なレーザーシステムの構築
レーザーは本質的に高い制御性を持っています。光の空間的・時間的構造を精密に制御することで、さまざまなレーザー応用技術の最適化が可能になります。本研究では、空間光変調器(Spatial-Light Modulator)とフーリエ光学系を組み合わせることで、時空間領域 I(x,y,z,t)を自在に制御可能なレーザーシステムの構築を目指しています。
干渉を用いた超配列2D・3D光構造の形成
光の構造を精密に制御することにより、従来にない新たな機能を持たせることが可能です。例えば、ビーム中心の光強度がゼロとなる光渦は、超解像顕微鏡(STED)を実現し、ノーベル化学賞を受賞しています。一方、複数のビームを干渉させることで、2次元・3次元の周期的な光構造を自在に作り出すことができます。これらを融合することで、多数の光渦が規則的に配列した「メガ光渦」を形成し、さらに「メガ光トルネード」など新たな構造バリエーションを開拓する研究を進めています。
構造を制御した光のナノ加工応用
時空間領域で精密制御された超短パルスレーザーを物質に照射すると、ナノスケールでの精密な加工が可能になります。さらに、干渉技術と組み合わせることで、ナノ構造が規則的に配列したナノマテリアルを作製することができます。これをナノテクノロジー(ナノサイズで物質構造を制御することで新たな機能や特性を引き出す科学分野)やプラズモニクス(金属中の自由電子の集団振動と光との相互作用を利用する科学分野)へ応用する研究を行っています。